COLUMN / INFRA HEROES

建設コストが止まらない──米国「資材50%関税」時代の見積りと、円安日本の現場

建設コストが止まらない──米国「資材50%関税」時代の見積りと、円安日本の現場

米国の建設現場が、資材高の波に洗われています。鉄鋼・アルミ・銅といった基幹資材には最大50%の関税がかかり、輸入品の価格は15〜50%も跳ね上がりました。建設資材の物価指数は2026年初めに年率12.6%という、2022年以来の速さで上昇。鋼管・鋼材は前年同月比で12.5%高、セメントも輸入品でトン当たり5〜10ドルの上振れが見込まれています。コスト管理が、プロジェクトの成否を分ける最大の変数になっています。

「見積りの賞味期限」が短くなった

価格が乱高下すると、現場の実務そのものが変わります。米国では資材見積りの有効期限が、従来の90日超から30〜60日へと短縮されました。流通在庫も2024年比で2〜3割薄く、「とりあえず確保しておく」ことすら難しい。発注のタイミングを一つ誤るだけで採算が崩れるため、数量の早期確定とサプライヤーとの値決め交渉が、これまでになく重要になっています。関税という政策要因が、現場の段取りを直接揺さぶっているのです。

円安日本の現場と重なる悩み

日本の建設業も、構図は驚くほど似ています。米国が「関税」で資材高に直面する一方、日本は「円安」で輸入資材や設備のコストが膨らんでいます。ウッドショックの後遺症、鋼材・銅・アルミの国際市況、そして燃料高。これに人手不足による労務費の上昇が重なり、建設物価は右肩上がりが続いています。発注者と受注者の間で、物価スライド条項や適切な価格転嫁をどう設計するかが、共通の課題として浮かび上がっています。

INFRA HEROES視点:資材価格はもはや「市況」ではなく「地政学」です。関税・為替・供給網の3つが絡み合い、数か月単位で前提が変わります。現場が身を守るには、早期の数量確定、複数調達先の確保、契約への物価変動条項の織り込みが欠かせません。コスト変動を「読む力」が、技術力と並ぶプロジェクトマネジメントの中核になりつつあります。

出典:Construction Owners「50% Steel, Aluminum, Copper Tariffs Raise Construction Costs in 2026」(https://www.constructionowners.com/news/50-metal-tariffs-hit-construction-costs)/ABC(Associated Builders and Contractors)建設資材物価指数ほか各種業界レポートを参考に編集部が独自構成。

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