COLUMN / INFRA HEROES

「その見積り、労務費いくらで見てる?」──標準労務費が動き出した今、埼玉の下請け社長が“適正単価”を勝ち取る三つの手

「その見積り、労務費いくらで見てる?」──標準労務費が動き出した今、埼玉の下請け社長が“適正単価”を勝ち取る三つの手

「その見積り、労務費いくらで見てるの?」──元請の担当者にそう問われて、言葉に詰まった。そんな社長はいませんか。2025年12月12日、改正建設業法が全面施行され、見積書に労務費の内訳を明示することが当たり前になりました。「一式いくら」のどんぶり勘定で受けてきた時代は、もう終わろうとしています。

今回の目玉が「標準労務費」です。中央建設業審議会が示したこの基準を著しく下回る見積りや契約は、禁止になりました。これは下請けを叩く元請への歯止めであり、裏を返せば、下請けや一人親方が「これ以上は下げられません」と胸を張るための、法的な後ろ盾ができたということです。2026年6月29日には運用方針も改正され、賃金水準の目安として公共工事設計労務単価の水準を早期に目指す方向が示されました。

数字が、味方になる時代

その公共工事設計労務単価は、令和7年3月適用分で全国全職種平均24,852円。前年度から6.0%上がり、13年連続の引き上げです。国が「職人の手間はこの水準だ」と毎年示してくれている。これを見積りの根拠にしない手はありません。足場でも解体でも土木でも、自社の主要職種の単価を国交省のサイトで確認し、歩掛かり(作業量)を掛けて労務費を一行で書く。それだけで、値切りの土俵が変わります。

明日からやる三つのこと

一つ、見積書のフォーマットを直す。材料費・労務費・法定福利費・経費を分けて書く欄を作りましょう。二つ、公共工事設計労務単価の最新版を印刷して事務所に貼り、商談の場で根拠として見せる。三つ、元請から標準労務費を下回る金額を提示されたら、「これは基準を下回っています」と一言添えて協議に持ち込む。改正法は“誠実な協議”を元請の義務にしました。黙って飲む必要は、もうありません。

職人の手間を安く見られる時代は、法律の側から終わろうとしています。埼玉の現場を長年支えてきた社長たちが、正々堂々と適正な値段を口にできる。INFRA HEROESは、その一歩を後押しします。数字という武器を、今日から握ってください。

出典:国土交通省「労務費に関する基準ポータルサイト」(https://roumuhi.mlit.go.jp/)、国土交通省「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価」

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