「うちは無借金だから関係ない」──そう言い切れる社長は、この業界にどれだけいるでしょうか。2026年6月、日本銀行は政策金利を0.75%から1.00%へ引き上げました。1%台は約31年ぶりです。運転資金も、重機やダンプのローンも、変動金利で借りているなら、返済額はこれから確実に増えます。埼玉で建設・土木・運送を回す社長が、今すぐやるべき備えを整理します。
数字で見れば怖さがわかります。仮に1億円を変動金利で借りていれば、金利が0.25%上がるだけで利息は年25万円増える計算です。日銀はここ1年、0.25%ずつ利上げを重ねてきました。専門家の間では、年内にもう一段、来年もさらに、という見方が有力です。つまり「一回で終わり」ではない。じわじわ効いてきます。資材高・人件費高で運転資金の借入そのものが膨らんでいる今、金利上昇は資金繰りの首をゆっくり絞めてきます。
「借りたまま」にせず、条件を取りに行く
やることは三つです。一つ目、いま借りている全部の借入を一枚に書き出す。残高・金利(固定か変動か)・返済期限。これを見ないと打つ手が決まりません。二つ目、変動で大きく借りている分は、固定金利への借換えや、信用保証協会の借換保証を銀行に相談する。金利が上がりきる前に固定化できれば、先の返済が読めます。三つ目、金利の交渉をあきらめない。黒字で、試算表や資金繰り表をきちんと出せる会社には、銀行も金利を下げる余地を持っています。
運送なら車両ローンの本数、足場・解体なら重機とヤードの借入、住宅・非住宅建築なら工事の立替金。業種によって「効いてくる場所」は違います。自社のどこに変動金利がぶら下がっているか、まずそこを見てください。
金利は、準備した社長にだけ優しい
金利のある世界は、30年ぶりに戻ってきました。慌てる必要はありませんが、放っておく理由もありません。借入を一枚にまとめ、銀行に会いに行く。それだけで、来年の資金繰りはずいぶん楽になります。数字を握っている社長は、金利が上がっても眠れます。この夏のうちに、動き出しましょう。
出典:日本銀行 金融政策決定会合(2026年6月、政策金利0.75%→1.00%)、第一生命経済研究所ほか各種報道。