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「約束手形、まだ使ってますか」──2026年1月、下請法が”取適法”に変わる。運送の社長と、手形を切る社長へ

「約束手形、まだ使ってますか」──2026年1月、下請法が”取適法”に変わる。運送の社長と、手形を切る社長へ

「その値段で頼むよ」と一方的に言われて、飲むしかなかった。もらった手形が現金になるのは数ヶ月先で、その間ずっと資金繰りが苦しい——。下請け・孫請けの社長なら、一度は味わった悔しさだと思います。そんな長年の商習慣に、2026年1月1日、法律がメスを入れます。下請法が大きく改正され、名前も「中小受託取引適正化法(取適法)」へと変わりました。今日は、この改正が埼玉の現場社長にどう効くのかを整理します。

2026年、下請取引のルールが三つ変わる

今回の改正は、2025年5月に成立し、2026年1月1日から施行されます。現場社長に関係が深いのは次の三つです。一つ、価格協議に応じず、一方的に代金を決めるのが明確に違反になりました。値上げ交渉を無視したり、「また今度」と先延ばしを繰り返すのもアウトです。二つ、約束手形による支払いが原則禁止となり、紙の手形・小切手は2027年3月末で廃止に向かいます。三つ、これまで対象外だった「運送(物流)」が、新たに規制の対象取引に加わりました。荷主や元請との取引で買いたたきや代金減額を受けてきた運送の社長が、法律で守られる側に回るということです。

明日から動く、三つの備え

一つ目、運送の社長は「守られる立場になった」と知ること。これまで泣き寝入りしていた一方的な運賃据え置きや、燃料高を無視した減額に対し、公的に是正を求める根拠ができました。標準的運賃や燃料費の根拠を見積書に書き残し、交渉の土台を固めておきましょう。二つ目、手形をもらう側は資金繰りの前倒しを見込む。廃止に向かえば現金化が早まり、月末の綱渡りが減ります。逆に手形を切ってきた元請の社長は、現金払いや電子記録債権(でんさい)への切り替えを、今のうちから銀行と相談しておくこと。三つ目、発注する側の社長は「協議のテーブルに着く」を徹底する。なお、建設工事そのものは建設業法で規律され取適法の直接対象ではありませんが、自社が外注する資材運送・設計・情報処理などは対象になり得ます。どの立場でも、価格の根拠を紙に残す習慣が身を守ります。

安く買い叩かれる時代から、根拠を出して堂々と交渉する時代へ。法律が背中を押してくれるなら、使わない手はありません。汗の値段を、正しく請求する。それが、来年の資金繰り表を軽くする第一歩です。

出典:公正取引委員会「2026年1月から『下請法』は『取適法』へ」、中小企業庁「下請法は取適法へ(2025年10月)」

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