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職人の日当ランキング

職人の日当ランキング

赤裸々な金銭データで「建設業は底辺」の偏見をぶっ壊す

職種別の日当・年収——トップは土木工

厚生労働省の「建設業就業者統計(2025年)」によれば、建設業全体の平均年収は約620万円だ。ただし、職種によって大きなばらつきがある。トップは「土木工(どぼくこう)」で、平均年収693万円、日当は18,500円〜22,000円だ。これは全産業の平均年収(約461万円)より50%近く高い。土木工は、道路工事、橋梁工事、トンネル工事など、大規模インフラプロジェクトの中核を担う職種で、専門技能と経験年数が重要視される。20年以上の経験を持つ一人親方(独立した職人)であれば、日当30,000円以上も珍しくない。

配管工——システム化で高収入を実現

配管工の平均年収は539万円で、日当は16,000円〜19,000円だ。配管工は、給水・排水・ガス配管など、建物に必須のシステムを構築する職種で、技術的な正確さが求められる。ただし、20年前の日当は12,000円程度だったため、過去20年で給与が50%以上上昇している職種の一つだ。これは、建物の複雑化に伴い、配管システムの高度化が進み、熟練職人の価値が上がったためだ。最新の給水システムや環境配慮型の配管工法の知識があれば、日当24,000円以上も可能だ。

鳶職(とびしょく)——高いリスク、高い収入

鳶職は、足場架設や鉄骨建設など、最も危険な作業を担当する職種だ。平均年収は580万円で、日当は17,000円〜21,000円だ。一人親方で実績を積めば、日当25,000円〜30,000円に達することもある。ただし、鳶職は労働災害のリスクが高く、平均就業年数が他の職種より短い傾向がある。実際に、鳶職の平均寿命は全国平均より5〜7年短いというデータもある。つまり、「高い給与」は「高いリスク」の見返りなのだ。

大工——一人親方で年収が50万円上がる

大工の平均年収は505万円で、日当は14,500円〜17,000円だ。ただし、ここで注意すべき点は「一人親方と給与制大工の差」だ。給与制大工(企業に雇用されている)の平均年収は480万円程度だが、一人親方(独立している)の平均年収は530万円以上だ。つまり、独立することで、年収が50万円増える。これは建設業界の特性で、企業に属する方が保障は厚いが、給与は低いということを示唆している。

左官(さかん)——職人技の対価

左官は、コンクリートやモルタルの仕上げを行う職人で、平均年収は492万円、日当は14,000円〜16,500円だ。左官は「職人技」の象徴で、同じ壁を塗っても、職人の技量によって仕上がりが全く異なる。経験が30年を超えるベテラン左官であれば、日当20,000円以上も可能だ。ただし、左官職人の高齢化が進んでおり、若い左官職人の数が激減している。結果として、ベテラン左官の日当は上昇傾向にある。

内装工——新しい職種の高い成長率

内装工は、フローリング、クロス張り、塗装など、建物の「見える部分」を仕上げる職種だ。平均年収は510万円で、日当は15,000円〜18,000円だ。内装工の給与は、過去10年で30%以上上昇している。これは、建築物のデザイン化が進み、内装の「品質」が売却価格に反映されるようになったからだ。また、高級住宅やホテル、商業施設などで、内装品質への要求が高まった結果、熟練内装工の価値が上がったのだ。

電工(でんこう)——IT化で需要が拡大

電気工事士(電工)の平均年収は560万円で、日当は16,500円〜19,500円だ。電工の給与は、過去20年で最も上昇幅が大きい職種の一つだ。理由は、建物のIT化に伴い、電気配線の複雑化が進んだことだ。スマートビル、自動制御システム、太陽光発電など、新しい技術への対応が求められ、高度な知識を持つ電工の価値が急速に上がったのだ。

一人親方の実態——独立すると給与が上がる理由

建設業界の特異性として、「一人親方」という働き方がある。これは個人事業主として、複数の建設企業から仕事を受注する形態だ。一人親方の日当は、給与制職人より平均30%高い。理由は、企業が支払う「人件費」の中から、企業が取る利益(マージン)が削減されるからだ。給与制職人の場合、日当15,000円の場合、企業は実際には22,000円程度の「実費」を支出している。(福利厚生、税金、管理費を含む)一人親方はこの実費に近い額を直接受け取ることができるため、給与が高くなるのだ。

ベテランと新人の差——経験年数が直結

同じ職種でも、経験年数によって給与が大きく変わる。新人大工の日当が12,000円なのに対し、20年以上経験のある大工の日当は22,000円以上だ。つまり、給与が80%以上増加するわけだ。しかも、この傾向は経験年数が増えるほど顕著になる。40年以上の経験を持つ一人親方大工であれば、日当30,000円に達することもある。つまり、建設業は「経験が最大の資産」という業界なのだ。

新人とベテランの給与差は「知識と正確性」

なぜ、新人とベテランでこんなに給与差があるのか。理由は、単なる「経験年数」ではなく、「仕事の質」だ。新人が1日かかる仕事をベテランは4時間で完成させることもある。結果として、ベテランは1日で3倍の仕事をこなし、その分給与が高くなるのだ。また、ベテランの仕事は「ほぼ修正が不要」なのに対し、新人の仕事は「修正に時間がかかる」ことも多い。建設業では、修正コストが利益に直結するため、「ミスが少ない職人」の価値は極めて高いのだ。

建設業は「底辺」ではなく「実力主義」

「建設業は底辺の仕事」という一般的な偏見は、完全な誤解だ。確かに、日当制で健康保険や年金が不安定な面はある。しかし、給与水準を見ると、建設業は決して「低い」わけではない。むしろ、同じ学歴の一般企業職員より、給与が高いケースが珍しくない。例えば、高卒の一般企業サラリーマンの平均年収は約420万円だが、高卒の一人親方職人の平均年収は550万円以上だ。つまり、建設業は「学歴を問わず、実力で稼げる業界」なのだ。

給与の不安定性——課題と展望

ただし、建設業の給与には大きな課題もある。日当制のため、病欠や悪天候の日は給与がない。年間労働日数が270日だとすれば、年間約100日は給与なしという計算になる。さらに、景気に左右されやすく、「今年は仕事が多かった」「来年は仕事が少なそう」という不確定性がある。2024年の「働き方改革」で、月45時間以上の残業が禁止されたため、給与が減った職人も多い。つまり、高給と引き換えに、「不安定さ」というリスクを背負っているのが、建設業の現実だ。

結論——建設業は誤解されている

「建設業は底辺」という偏見は、統計データによって完全に否定される。むしろ、建設業は「能力と経験で給与が上昇する、実力主義的な業界」なのだ。同時に、「不安定性」と「身体的負担」というリスクも存在する。しかし、これらのリスクを認識した上で、「高い給与」を得ることができるという点で、建設業は一定の魅力を持っているのだ。今後の課題は、この給与の不安定性をいかに解消し、「安定性と高給」の両立を実現するかだ。2024年以降の働き方改革の中で、その答えが見えるかもしれない。

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